車両紹介

鮮魚列車の車両を紹介します。
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鮮魚列車が設定されたしばらくの間は 1400形(*1)、 2200系(*2)、 2250系(*3)、 モワ10形、モワ50形(*4) などの一般車(格下げ車も含む)が鮮魚列車に使用されていましたが、1983年に車号整理が行われて 600形に改番、改造されました。

600形は元2200系のモ601と、元2250系のモ602とモ603、ク503、元1320形のク501、元1321形のク502の6両からなります。
モ601は事故焼失した2200系(2204)の車体載換え車1420形(現在の1420系とは異なります)を 改番したものです。1460系(*5) と同じ車体で、1両のみの存在です。
モ602とモ603は2250系を改造したものです。
ク501は、1952年に1300形モ1308(*6) の車体載換え車モ1321形を、1973年にク1320形に改番されたものです。
ク502は奈良電気鉄道(*7) のデハボ1350形として登場、1964年に京都線特急車680系(*8) の予備として683系に改番(モ603)、1976年に1321形(ク1322)に改番されたものです。
600形は1989年までに、1481系に置き換えられて廃車されました。

(*1)

1400形
1939年に大阪電気軌道が大阪線用に製造した通勤車です。 モ1400形とク1500形(登場時はデボ1400形とクボ1500形)からなります。 その後、一部が1976年にモワ10形(モ1400形)とクワ50形(ク1500形)に改造、残りは廃車されました。

(*2)

2200系
1930年に参宮急行電鉄(近鉄の前身)が大阪線用に製造したクロスシート車。 一部除き、1974年までに廃車。

(*3)

2250系
1953年に大阪線用特急車として登場。後にラジオとクーラーが取り付けられましたが、 1959年から一般車に格下げされ、同時に撤去されました。一部が電動貨車に改造されたものを除いて、 1983年に廃車。

(*4)

モワ10形
1976年に2200系と1400形の一部を電動貨車に改造したもの。 1500形を改造したものはモワ50形と呼ばれました。 鮮魚列車にも使用され、1983年までに廃車されました。

(*5)

1460系
1957年、大阪線に登場。近鉄で初めて両開きドアを採用し、丸みの強いデザインも含め、 長い間近鉄電車の標準となりました。1988年に廃車。

(*6)

デボ1300形
1930年に大阪電気軌道(近鉄の前身)が大阪線用に製造した通勤車。 後にモ1300形に改番。1973年に廃車。

(*7)

奈良電気鉄道
1925年設立、1928年に西大寺(現在の大和西大寺)-京都間開通。 1963年に近鉄に合併されました。

(*8)

680系
1954年製の高性能車デハボ1200形と、1957年製の機器流用車デハボ1350形を、 1964年に特急車に改造したもの。 後に一般車に格下げされ志摩線で活躍、1987年に廃車。

古くなった600形を置き換えるため、1989年に1480系(*9) 3両編成1本を1481系に改造しました。
主な変更点は、 車体色を赤を基調に窓下に白帯を巻いたものに変更、全車にクーラーを設置、 ク1591にトイレを設置したこと、などです。
製造から40年近くなり寿命を迎えたため、2001年に2680系改造車に置き換えられました。

高安車庫で廃車を待つ晩年の1481系(写真中央)
高安車庫で廃車を待つ晩年の1481系(写真中央)

1481系と1420系
1481系と1420系

1481系と特急車12200系
1481系と特急車12200系

1481系正面
すべて高安車庫にて敷地外から撮影
1481系正面
すべて高安車庫にて敷地外から撮影

(*9)

1480系
1961年に大阪線用に製造された通勤車。3両編成からなり、 主に大阪-伊勢間の長距離列車に使用、後に名古屋線にも使用されました。 鮮魚列車1481系を残して1999年までに廃車されました。

1481系を置き換えるため、2001年に2680系(*10) 3両編成1本を改造しました。
主な変更点は、車体色を赤一色に、運転台窓下に白帯を巻いたものに変更、 1481系までは正面に取り付けられていた「鮮魚」の運行板の代わりに、 方向幕に「鮮魚」の表示がされる、などです。
現在は3代目の鮮魚列車として活躍しています。

伊勢で取れた鮮魚を大阪へ運ぶ
長瀬にて
伊勢で取れた鮮魚を大阪へ運ぶ
長瀬にて

朝の運用が終わると高安車庫へ回送される
今里にて
朝の運用が終わると高安車庫へ回送される
今里にて

従来の運行板に代わり、方向幕で「鮮魚」を表示
大阪上本町にて
従来の運行板に代わり、方向幕で「鮮魚」を表示
大阪上本町にて

2680系側面
高安車庫にて敷地外から撮影
2680系側面
高安車庫にて敷地外から撮影

側面の方向幕は撤去されている
側面の方向幕は撤去されている

車内には広告が取り付けられていない
2枚とも大阪上本町にて
車内には広告が取り付けられていない
2枚とも大阪上本町にて

(*10)

2680系
1971年に登場した、近鉄初のクーラー付き通勤車です。3両編成2本が製造され、 クロスシート車のため大阪線や名古屋線の長距離列車として活躍しました。 2001年に1本が鮮魚列車に改造、残り1本は2002年に廃車されました。

1972年に大阪・名古屋線用に登場した長距離急行用クロスシート車です。1976年までに4両編成17本が製造されました。1991年から座席をロングシートに変更、一部はL⁄Cカー(*11) に改造されました。現在も両路線の主力車両として活躍していますが、2680系鮮魚列車が点検等で運転できない場合に、代わりに走ることがあります(毎年7月頃に見られます)。

2680系の代走では2610系が活躍する
2680系の代走では2610系が活躍する

悪臭と汚れがつかないようにビニールシートがかけられている<br>
2枚とも大阪上本町にて
悪臭と汚れがつかないようにビニールシートがかけられている
2枚とも大阪上本町にて

鮮魚列車に乗り込む行商人(写真中央)
鮮魚列車に乗り込む行商人(写真中央)

現在は代走時にしか見られない運行板
2枚とも鶴橋にて
現在は代走時にしか見られない運行板
2枚とも鶴橋にて

(*11)

L ⁄ Cカー
座席を回転させることでロングシート、クロスシートに変更できる座席 (デュアルシート)を備えた車両。奈良、大阪、名古屋線に走っています。